アーティストインタビュー

凛として時雨

強烈な個性で圧倒的な存在感を放つバンド・凛として時雨。
ボーカル/ギターのTKさんはソングライティングのみならず、レコーディング、ミキシング、そしてときにはマスタリングまでをもご自身で手がけていらっしゃいます。
その過程で重要な役割を占めているのがUADプラグインシステム。
日頃どのようにご活用されているか、お話を伺いました。

Interview with TK (2015/2/2)


僕がUADの存在を知ったのはUAD-1の頃で、実際に使い始めたのはUAD-2になってからなんですけど、その頃はまだ限られた人が使っているような印象でした・・・でも、今はもうかなりUAD-2やApolloを見るようになりましたし、スタジオでも以前はまず見なかったんですけど、最近はセットアップされているところも増えてきましたね。
UADプラグインも最近の製品はかなりディープなところにきていて面白いです(笑)。往年の銘機が蘇ったものもあれば、オリジナルのギターアンプや本当にピンポイントなツールだったり。新たなプラグインが出るスピードも早いですよね。

最近ではMassenburg (Massenburg DesignWorks® MDWEQ5 Parametric Equalizer プラグイン) が直感的に使えるEQで凄く良かったです。EQはアナログライクなものから何でもこなせるマルチなものまで今は本当にたくさんあるので、僕はクオリティよりも求めている音と操作性が自分にどれだけフィットするかを大事にしています。それにしてもUADプラグインはソフトのアップデートの度に毎回新しいのが発表されるので、困っちゃいますね(笑)。
でも、どのプラグインも2週間フルで試せるのは良いですね、実戦でのイメージが掴める。

Ocean Way (Ocean Way Studios プラグイン) もお気に入りで最近では一番使ってます。僕はギターをラインで録りたい時はKEMPERを使うことが多いんですが、「ちょっと近すぎる」って場合はリマイク的にこれを使うといい感じで距離感を離してくれるんです。今の時代にあったプラグインだと思いますね。
実際にアンプを鳴らして録ったギターや生のピアノにかけてもぼやけることなく独特の空間に入り込むので、それをセンド量で調整します。
あとはボーカルにうっすらかけたり・・・自分のボーカルトラックには良くショートディレイもかけるんですけど、そのショートディレイのさらに奥に音が付加される感じがしてよく使います。単体で聴かないと分からない位ですが、スッと奥行きが広がる感じですね。

- リバーブとはまた違う感じですか?

僕はバンドの音楽性もあるんですが、あまりリバーブって使わないんです。リバーブで奥行きを付けて前後の位置づけをしていく、っていう感覚がなくて。
リバーブは音色として本当にエフェクティブに、例えば「キラキラしたサウンド」といったふうに "聞こえる形" で使うことが多いです。

- 例えばスネアが「パーン」って飛ぶようなものは・・・

あれはリバーブなんですけど、CUBASE付属のリバーブをかけて一度エクスポートしてからそこにUADの1176をふたつ掛ける感じですね。

- 一度書き出すんですね

あの手のリバーブサウンドは書き出します。視覚的にとらえたい、っていうのもあるんですけど、一度書き出してからコンプをかけた方が目的の音に辿り着く事が多いんです。
あのスネアの破裂した感じのサウンドって、オケの中でうまく出すのが難しくて。普通にリバーブをかけるだけだとそのまま綺麗に鳴っちゃったり、リフレクションが大きくて変な目立ち方をしちゃうことがあるんですけど、書き出してコンプとかをかけることで、自分の欲しいところに来てくれる感じがします。
ボーカルとかもミックスの後半になってくると、リージョンを切ってプラグインを掛けて、それらを書き出してひとつのトラックにすることも多いです。

- 今回、UNIVERSAL AUDIO Apollo もお試し頂きましたが、いかがでしたか?

透明感があって凄く良かったですね。ちょうど録音をしているタイミングだったので、マイクプリやUnison機能も試させて頂きました。
UA610プラグインを初めて試した時に音が結構丸くなる感じがして、「暖かい音だから僕は使わないかな」と思ったんですけど、EQが良くて。とても音楽的な掛かり方をするので実機もチェックしてみたところさらに良くて・・・ApolloのUnison機能を使うと、実機にかなり近いことになる、っていうことなんですよね?

- そうです。Unisonスロットに対応プラグインをインサートすることで、アナログとデジタルが一緒に作用して、より実機のキャラクターに近付きます。

そうなんですね。すごく似てました(笑)。普通に録って、後から610プラグインをかけるのともまた感じが違うんですね・・・アナログ部分も切り替わっていくんですね。

Apolloのマイクプリを素で試した時、「すごく透明感のある音だな」と思いました。UNIVERSAL AUDIOのサウンドは、結構アナログ感の強い泥臭いようなイメージがあったんですけど、Apolloはすごくピュアな印象を受けました。
もともとRMEのFirefaceを使っているので、音が耳に届きやすい感じなんですけど、Apolloはそこがもう少し透き通っているようなイメージ だったので、最初はちょっと物足りないような感覚でした。綺麗で素直な感じなんだな・・・と思いつつUnisonを使ってみたら、「あ、なるほど!」ってなって(笑)。これを活かすためなんだな、と感じました。
マイクプリは極力色付けなく、っていう考えで作られているんでしょうか?
レンジも広く感じたり・・・これまで UNIVERSAL AUDIO の製品はレンジが狭いような印象があって、1176もそうなんですが音が "ギュッ" となって耳に届く、みたいなイメージだったんですけど、これまでの印象と全く違うように感じられて驚きました。

ところでApolloコンソールって、皆さんからはどういった反応なんですか?僕がFirefaceに慣れてるってのもあるかもしれないですけど、アウトプットのルーティングの感じとかなかなか掴めなくて・・・(笑)

- UAのコンセプトとして、「極力シンプルに、楽器を挿せばすぐに音が出るデザイン」というのがあるのですが、踏み込んでお使いになられる方からは物足りないという声は実際ありました。
ただ、2015年3月リリースの新しいUADソフトウェアv8.0*ではそのあたりを踏まえて、よりフレキシブルなコンソールに生まれ変わります。
(*UADソフトウェアv8.0は2015年3月4日にリリース済みです)

それは楽しみですね。個人的な好みもありますが、Apolloを買うと最初からUA610-Bプラグインが入っているのはいいですよね。

- 610はUAの看板の音のひとつなので、是非Apolloユーザーにも体感して頂きたいということで入っています。

SOLO/610は楽器屋さんでよく見てたんですけど、今回、EQが付いてて1176も付いてて、というモデル (6176) を試してみたらすごく良くて。最近試した中では一番良かったです。

「マイクプリは真空管じゃなくても」って思っていたんですけど、久々に音楽的なマイクプリに会ったなぁと思って。
1176の部分に関しては、以前から個人的にUreiのものを持っているんですけど、それと比べるとちゃんとしているというか(笑)、レベルを管理する、って意味ではカーヴも緩やかで現行の方が使い易いかもしれないですね。昔のモデルは個体差もありますがもうちょっと歪んだりとか、スピードが早く感じたりとか、その "音色" が欲しくて使っている感じです。

- UADプラグインの1176も新たに3つのリビジョンをモデリングし直したものもあるんですよ。

僕は一番最初のが好きですね・・・レガシー。それも1176SEでしたっけ?スネアには必ず使っています。
女性ボーカルをミックスする時は黒いモデル(1176LN)を使ったりもするんですけど、僕は銀の方が好きですね。レガシーの方の(笑)。
でも単純にそれをかけた上での音創りっていうのが染み付いちゃってるだけ、っていうのもあるのかもしれないです。
新しいのを使えばまた違った感じになるんでしょうけど、味付けが少ないという点も含めて僕の頭の中のイメージ通りになるのは1176SEですかね。

- Ureiの1176(実機)は1台だけお持ちなのですか?

そうですね。歌録りの時には必ず使います。

- 歌録りはすべてプライベートスタジオで行われるのでしょうか?

主にはそうですね。先日出たシングルはエンジニアの高山徹さんにスタジオで録って頂きましたけど、その時も1176を使いました。

- ドラムもアウトボードを掛け録り、ですか?

それはあまりないですね・・・スネアとアンビに1176を入れるか入れないか、ぐらいです。スネアに関しては後々ゲートを掛けたくなった時とかに困ったりするので。
僕、録る時にミックスもしちゃってるんですよ・・・録ってる時はスルーインプットしてそれをみんなモニターしているんですけど、プレイバックして聴き直す時にはもうコンプやEQが入ってるんですよ。

- 「音デカい!」みたいな(笑)

そうですね(笑)。昔からずっとそのやり方なんです。最初のサウンドチェックの時に一度録っちゃって、みんなに休憩してもらってる間に音の大枠を創ってしまって、その時にマイクの向きやかぶり等をチェックして、ミックスしてからその後マイキングを調整していきます。
僕はプロのエンジニアではないので、「素音でこうだったらミックス後、マスタリング後にこうなる」っていうのが分からないので、イメージするんじゃなくて実際にやってみないと、っていうのもありますし、プレイヤーにも一度ミックスした後の音を聴いてもらうことで最終形をイメージじゃなく実際の音として捉えてもらえるので出てくるサウンドも変わりますし、出来る曲も変わってくるので、そこは大事にしています。
なので、録っている時にすでにUADが挿さってるんですよ(笑)。
そう考えるとApolloのワークフローって、理想的ですよね。

- マイクはどういう基準で決めていらっしゃいますか?

NEUMANN U87Aiを持っているんですけど、スピードや音色が自分の声質に合っていると感じるので、ボーカルはそれで録っちゃうことが多いですね。もともとはU67も好きで、状態の良いものを探してはいるんですけど、僕は本番のレコーディングを年に何度も頻繁に行っているような感じではないですし、メンテナンスも大変になってくるのかなと思って、そのあたりも考慮して現在は扱いやすい87Aiをメインで使っています。でも、現行品の真空管マイクで87とはまた違うキャラクターで良いものがあれば、といろいろ試しているところではありますね。
僕の声はハイがきついので、真空管マイクの独特の「チリッ」とした部分とぶつかることが多くて、それで細くなってしまったり、欲しい所に来なかったりすることがあって、なかなか「コレ!」といったものに巡り会えていないんですけど、UAの610プリアンプを使ったときに、「87と真空管マイクプリの組み合わせってのもあるんだな」っていう新しい発見がありました(笑)。
マイク選びに関してはドラムも含めて凄くスタンダードなものが多いんですが、「何か違うな」って感じた時にその原因を追求することが大切だと思っていて、 それがマイクの角度なのか、マイクのチョイスなのか、プレイを変えてみたらどうだろうか、等でしっくりいく方法を探していきます。セオリーを守ることも破ることも必要無いですが、耳と求めているイメージが自然と導いてくれるのが理想です。

- ミックスの手法やコツについてよろしければお聞かせ頂けますか。

僕は、"嫌な帯域" と "欲しい帯域" っていうのは表裏一体だと感じているんです。
プロフェッショナルなエンジニアの方々は、例えばEQに関しても針のようなカットをされていて、「なんでこうなってるんですか?」ってよく質問したりするんです(笑)。その方にとってはすごく重要なプロセッシングになっているんですけど、僕がミックスする時に耳障りなところを探していくと、ほとんどの帯域が切れちゃうんですよね(笑)。
ディスコードにはなっているけど、それがあるからこそ "このサウンド" となっている感じで、楽曲が完成に近づいた時に「ぶつかっているな」と感じた部分だけカットする感覚です。
単体で見るとどこも不必要に感じたり、逆に全部必要に感じちゃったりするので、プロのエンジニアの方々はその選別が本当にシビアにできるんだなと感じます。僕はその域に達していないので、試しにカットしてみてもまた元に戻した方が良く聞こえるケースが多い。結果としてあまり何かを削ったりすることは少ないと思います。必要な音色としてカットをしていくことはありますけどね。

- 実際にミックスをしてみて、「難しい」「なかなかハマらない」と感じる瞬間はありますか?

僕が例えばドラムを録る時って、他のパートがデモとしてすでに存在していたりするので、その時点で概ねイメージが出来上がっているんです・・・「こういうギターを弾きます」「こんなベースが入ります」「歌はこうです」というのが先にあるので、録る時点では自分のイメージに沿ったスペースがある上で、そこに音を配置していく感じです。
僕自身がメンバーでもあるので、スネアを変えてもらったり、マイキングを改めて考え直したり、と時間をかけて音を創り込むことができるので、またちょっと通常のミックスの流れとは違う部分もあるのかな、とは思うんですけど。

- ベスト盤 "Best of Tornado" をリリースされましたが、初期の楽曲も改めてミックスしていらっしゃいます。こちらは「最近の楽曲に合わせて」という意図からでしょうか?

当時はMTRを使って録っていたんですけど、それが気になったからというわけではなく、また当時のミックスのテクニックが気になったから、というわけでもなく・・・その時々でベストを尽くしてきたので、ひとつの作品としていじりたくない、というのは根底としてあるんです。ただ、今回のベスト盤はアーカイブとしてではなく、曲をまっさらな状態で並べて新しい作品として出したい、とメンバーの中で捉えていたので、曲順も年代バラバラで入っているんです。その中で、この曲順だったら全体の流れとしてもう少し違う聞こえ方にしたいな、という欲求が出てきた楽曲だけをミックスし直しています。

- どのタイミングでMTRからDAWへと移行されたんでしょう?

MTRで録って、DAWへは入れていたんですよ。ただ、録る機材・・・現在だと本当に信じられないような価格で16ch録れる機材が手に入ったりしますよね(笑)。でもその頃はコンピューターを使って16chで録れる機材を用意するのは大変だったので、録る時はMTRを使っていました。そこでWAVとしてCD-Rに書き出して、パソコンにデータを移してからミックスをしていました。
「市販のCDと音が全然違う!」っていう壁にぶつかりながら(笑)。

- 誰もが通る道なんですね(笑)

いまだにそういうことはありますけどね(笑)。

- ミックスにおいて、決まった手法や手順といったものはあるのでしょうか?

基本的には自分の作品でしかエンジニアをやらないので、毎回まっさらな気持ちで取り組んでます。
ミックスに関しては録りに比べると自分のフォーマット的なものはある程度あるんですけど、録りは例えば「ドラムから順に録っていく」とかはなかなかないですね。毎回試行錯誤です。「好きなマイク何だっけな?」っていうとこから始まって、「どこのスタジオで録ろうかな」と迷うのを楽しみながら決めていきます (笑)。

- モニターはONKYOのコンポということですけど・・・

最近変わりましたよ(笑)。厳密に言うと、アンプはそのままコンポのものなんですけど、スピーカーを変えました。ELACというメーカーのものです。スピーカーに関してはラージも使わないですし、10Mも使わないですね。民生用の範囲を越えないところでやっています。

- イヤホンや、どこか別の環境でミックスのチェックもされますか?

そうですね・・・どちらかというと、イヤホンはレンジが狭く色々な音が聴こえなくなるので、気持ちをなだめたい時に使います(笑)。
最終的にマスターを書き出す段階でチェックするんですけど、シビアになりすぎないように、と言いますか、いちリスナーとしての客観的な感覚 – それこそ歩きながらとか、車の中で聴くことによって、はじめて「音楽を創っている」という感覚ではなく「音楽を聴いている」という感覚になれるので。そこで気付ける部分はスピーカーの前にいる時とはまた違っているので大事にしています。なので、ミックスしているその場でイヤホンで聴いたりというのは少ないですね。
スピーカーの前に座ってミックスをしているとどんどんエンジニア的な視点になってしまうので、それを引き戻すような感覚です。

- 現在お使いのUADシステムを教えて下さい。

UAD-2 QUAD (PCIe) と、持ち運び用のSOLO LAPTOPです。外でもいくつかUADプラグインを使いたいので。

- DSPパワーは足りていますか?

足りていないです(笑)。OCTOを入れたいなとは思っているんですけど・・・最近リリースされるUADプラグインって、負荷が重いのが多いですよね。というのもあって、多用するのは1176SEだったりして(笑)。
個人的にはプラグインが実機と似ているかどうかっていうのはそれほど重要だと思っていなくて。この間、ギターアンプ・・・僕が持っているのは現行のTwin Reverbなんですけど、そのパワー管を新品に変えただけで音質が全然違うんですよ。というのもあって、似ている似ていないの概念ってそもそも個体差が激しいので曖昧ですよね。
その音色が自分の武器になるなら使えばいい、くらいに捉えていた方がうまく付き合っていける気がします。実機との比較も面白いとは思うんですけど、本来の音楽を創るという目的からは逸れていっちゃう気がしますよね。似ているけど使わないプラグインもあれば、似ていないけど毎回使うプラグインもある。
イメージしている音にするための最良の手段になれば、と思ってそれぞれの機材を選んでいます。

- とくにお気に入りのUADプラグインは何でしょうか?

Cambridge EQ (Cambridge EQ プラグイン) も好きですし、Studer A800 (Studer® A800 Multichannel Tape Recorder プラグイン) もよく使います。スネアとかボーカルに入れたり・・・Studerはハイを上げるのが難しい時に良いんですよ。あのEQは独特なところが上がるので。ハイを上げると痛いけど、下げるとなんかこもるな、っていう時にちょうど良いんですよね。ちょうどUA-610BのEQと近いニュアンスもありますね。Maag EQ (Maag EQ4® EQ プラグイン) も透明感があって最近はよく使います。

- EQやコンプ系が多い感じですね。

そうですね・・・あと、Brainworx bx_refinement (Brainworx bx_refinement プラグイン)、あれもいいですね。耳につくけどカットしてしまうと本来の楽器の持ち味が消えてしまう、という時によく使います。MIDにかけていくと、センターにある耳に痛い帯域だけを落としてくれるんですけど、EQとは違ってこもらずに下げてくれるんですよね。ディエッサーに近いような働きをしてくれて、これをドラムやギターのグループに入れてオートメーションで楽曲のセクションによってMIX量を調整します。
もしかするとプロフェッショナルなエンジニアの方々はああいうツールがなくても耳を頼りにいけるのかなって思うんですけど、僕みたいにプレイヤー目線の人 には「こうしたいんだけど、どうしたらいいかな?」っていう時に手が伸びるようなクリエイティブなツールだと思います。ギタリストとしては録った時点で音作りは完成しているので、そのイメージを崩さずにシンプル且つ直感的に追い込める所が良いですね。

- ありがとうございます。それでは最後に、TKさんはご自身で録音からミックス、マスタリングまでこなされているわけですけど、そういったエンジニアリング面に関してのこだわりや哲学的なものを教えて頂けますでしょうか。

僕の中では、「エンジニアリングをやっている」という意識はないんです。
曲を創ることと、録ることやミックス、マスタリングっていうのは同列の存在として自分の中にあるので、曲を創ってそこから先は誰かに任せる、という感覚はもうイレギュラーなんですよね。「どなたか他の方に録って欲しい」という目的があった上でお願いをすることはありますけど、基本的には、「ここにディレイ」「スネアはこういう音色」「ギターはこう」「ベースはこう」というのを含めてひとつの楽曲なので、エンジニアというよりもミュージシャンとしてそこまでが曲創り、という感覚です。
現在は機材面でもそういうことがやりやすい時代だと思いますし、おそらくミュージシャンって、みんな本当はそうしたいはずなんですよね。自分の頭の中に鳴っている音がうまくエンジニアの方に伝わらずにフラストレーションになってしまったり、いつの間にかイメージと違う音になってしまっていたり。その疎通がもっとダイレクトになって壁がなくなると、発信者にとってより音楽がよりピュアなものに近づいていくんじゃないかなと思います。
バンドもやって、かつエンジニアリングもやる、っていう意味で僕はまだ珍しがられたりもするんですけど、そもそも音楽を創るってこういうことなんじゃないかな、っていうのがあって。プレイヤーがエンジニアリングもやる、っていうのは、ある意味すごくフラットな状態なんじゃないかな、と思っています。
そこから自分に無いものを求めていった時にプロフェッショナルな方々とコラボレートすることでさらに奥行きが生まれたりもすると思うので・・・そういった形でこれからもやっていければなと思っています。
まだまだ表現出来ていないことばかりですし、本当に探究心は尽きないですね。でも分からなくて、掴めないからこそ面白いんだと思います。

プロフィール

凛として時雨

Vocal, Guitar:TK(Toru Kitajima)
Vocal & Bass:345(Miyoko Nakamura)
Drums:ピエール中野(Masatoshi Nakano)

TK(Vo&Gt)、345(Vo&Ba)、ピエール中野(Dr)によるスリーピースバンド。
男女ツインボーカルから生まれる切なく冷たいメロディと、鋭く変幻自在な曲展開は唯一無二。
プログレッシブな轟音からなるそのライブパフォーマンスは、冷めた激情を現実の音にする。

2002年、埼玉にて結成。メンバーチェンジを経て現メンバー編成となる。
2004年、初の全国ツアーから2種類の自主音源を2000枚以上売り上げ、自主企画「トキニ雨」を開催するなど精力的なライブ活動を開始する。
2005年、自主レーベル「中野レコーズ」よりファーストフルアルバム「#4」をリリースする。
2008年、Sony Music Associated Recordsへ移籍し、メジャー第一弾としてフォトブック付きの完全生産限定盤シングル「moment A rhythm」をリリース。
2010年、全28本に及ぶワンマンツアー「I was music」ではSUPER FINAL としてさいたまスーパーアリーナでの単独公演を行う。同年5月にはブライトン(UK)で開催された「The Great Escape」への出演も含め初のイギリスツアーを成功させる。
2010年9月、4枚目のフルアルバム「still a Sigure virgin?」をリリース。オリコンウィークリーチャート1位を記録した。
2012年11月、シングル「abnormalize」をリリース。TVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」主題歌に起用された。
2013年4月、5thアルバム「i'mperfect」をリリースし、同作品を携えた「Tour 2013“Dear Perfect”」では、初の台湾ワンマン公演、日本武道館ワンマン公演を成功させる。
2014年11月、前作から1年7ヶ月ぶりとなるシングル「Enigmatic Feeling」をリリース。「abnormalize」に続き、TVアニメシリーズ「PSYCHO-PASS サイコパス 2」の主題歌として起用される。
2015年1月、バンド初のベストアルバム「Best of Tornado」、ニューシングル「Who What Who What」を同日にリリース。「Who What Who What」は劇場版アニメ「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」の主題歌として起用された。2月からは、1年7ヶ月ぶりとなるワンマンツアー「Hyper Tornado Tour 2015」を開催。
同年9月、ミニアルバム「es or s」をリリースし、そのリリースツアーとなる「S.O.S. Tour 2015」をスタート。

オフィシャルサイト:
http://www.sigure.jp/

最新リリース情報

●New Mini Album『es or s』2015.9.2 Out
初回生産限定盤:CD+7inch AICL-2947~8 \4,000(tax out) ※数量限定
通常盤:CDのみ AICL-2949 \1,850(tax out)※初回のみジャケットサテンステッカー封入

<Disc 1 (CD)>
1. SOSOS
2. Mirror Frustration
3. Karma Siren
4. Tornado Mystery
5. end roll fiction

<Disc 2 (7inch)> ※初回生産限定盤のみ
Side A: SOSOS
Side B: Mirror Frustration